2009 Fiscal Year Annual Research Report
メタノール資化性細菌のゲノム解析による植物生育促進作用の解明
Project/Area Number |
21780074
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷 明生 Okayama University, 資源生物科学研究所, 助教 (00335621)
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Keywords | Methylobacterium sp. / methanol / plant |
Research Abstract |
本研究の目的は、植物が放出しているメタノールを分解資化することにより、植物表面や内部に多く存在するメタノール資化性菌、特にMethylobacterium属細菌に注目し、本属細菌のうちで重要な作物の生育を促進する株の分離同定を行い、有望株のゲノム解析を通じ、植物生育促進能力の分子生物学的解析を行うことを目的としている。 当該年度は様々な植物から分離して構築した、80株の互いに異なるMethylobacterium属細菌のライブラリの中からシロイヌナズナ、オオムギ、イネ、ダイズに対してin vitroでの接種試験を行い、各植物に対して最も生育促進能力の高い菌を選抜した。試験した植物種の多くに促進効果をもたらしたM.aquaticum strain 22A株のゲノム解析(Roche 454 GS FLXのシングルエンドシーケンス)を行った。 ゲノム解析により、コンティグ数490、平均コンティグサイズ16kbpの結果が得られた。本菌のゲノムは約7.7Mbpであり、すでに解析された本属細菌ゲノム(5.5-8.8Mbp)の中でも大きい方であることが分かった。プラスミドは6つ存在した。植物との相互作用で重要と考えられるPQQ合成、メタノール酸化・異化経路、窒素固定、ビタミンB12合成などの遺伝子が存在することが分かった。 今後上記遺伝子の破壊株を順次作製し、植物に接種した際の促進効果が減少する遺伝子破壊株を解析することにより、促進効果に関わる遺伝子を同定する。また植物と共存した際に発現しているRNAを次世代シーケンスしゲノムデータに当てることにより定量的に遺伝子発現を解析し、植物上での生育時に発現変動する遺伝子を同定して、同じく破壊株の作製を行うことも予定している。
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