2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780080
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
南 博道 Ishikawa Prefectural University, 生物資源環境学部, 助教 (90433200)
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Keywords | 応用微生物 / 発酵 / バイオテクノロジー / 酵素反応 / 植物アルカロイド |
Research Abstract |
医薬的に重要なイソキノリンアルカロイド(モルヒネやコデイン)は、植物の産生する二次代謝産物であり、チロシンから生合成される。これまでに我々は、ドーパミンを基質にした微生物発現系でのイソキノリンアルカロイド生産に成功している。そこで、本研究ではチロシンからドーパミンまでの生合成経路をチロシン生産大腸菌内で再構成し、構築済みの生産システムと組み合わせることで、ドーパミン添加を必要としない、微生物発酵法による効率的なアルカロイド生産を行った。 大腸菌において、芳香族アミノ酸代謝にかかわる遺伝子群全般の発現を制御するDNA結合型の転写調節因子(tyrR遺伝子)を欠損させた。そして、フィードバック阻害耐性3-deoxy-D-arabino-heptulosonate-7-phosphatesynthase (aroG gene)とchorismate mutase/prephenate dehydrogenase(tyrA gene)、さらにPhosphoenolpyruvate synthetase(ppsA gene)とtransketolase(tktA gene)を過剰発現させることで、チロシン生産菌を作製した。このチロシン生産菌に、Streptomyces castaneoglobisporus由来tyrosinaseとPseudomonas putida由来DOPA decarboxylase、およびドーパミンからのレチクリン生合成酵素を導入することで、微生物発酵法によるイソキノリンアルカロイド生産システムを構築した。本生産システムは、グリセロールから、最大で6mg/Lのレチクリンを培地中に生産した。本生産システムを用いることで、効率的な植物アルカロイドの生産が可能になった。
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Research Products
(6 results)