2009 Fiscal Year Annual Research Report
自家発光型リステリア菌を用いた宿主感染防御因子のRNAiスクリーニング探索
Project/Area Number |
21780088
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 彰 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 助教 (70419000)
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Keywords | 自然免疫 / ショウジョウバエ / 細胞内寄生細菌 / リステリア菌 / 抗菌ペプチド / レポーターアッセイ / RNAi / DNAマイクロアレイ法 |
Research Abstract |
本研究は、人畜共通感染症を引き起こす細菌のひとつである細胞内寄生細菌リステリア菌に対する宿主防御因子を同定することを目的とした。近年、当研究室で同定されたペプチドグリカン認識タンパク質の一つであるPGRP (Peptidoglycan recognition protein)-LEが、細胞内寄生細菌Listeria monocytogenesに対する認識分子として機能し、またこの認識を介したオートファジーの活性化が宿主感染防御に重要であることが示された。ゆえにPGRP-LEを介した新規防御因子を同定するために、まずリステリア属菌の宿主細胞内での増殖をリアルタイムに検出することが可能なシステム構築を試みた。すなわち、ルシフェリンなどの基質を添加することなくルシフェラーゼ発現に必要な全ての因子群を含むluxABCDEオペロンが、リステリア菌のゲノムに相同組替えによって挿入された自家発光型リステリア菌の作製に成功した。Listeriolycin O(LLO)、SecAおよびHelpプロモーターの下流にルシフェラーゼオペロンが挿入された相同組換え体を全て単離し、そのルシフェラーゼ活性を測定してみたところ、Helpプロモーターが最も強力な活性を有していた。 また遺伝子網羅的DNAマイクロアレイにより同定されたPGRP-LEおよびリステリア菌感染依存的に発現誘導される新規遺伝子CG9080(Listericinと命名)が、JAK-STAT経路およびPGRP-LEの両方によって協調的に発現制御されること、また培養細胞株を用いた生化学的解析、コロニー形成法およびUAS-GAL4システムを用いたin vivo解析から、Listericinが培地中に分泌されること、グラム陰性菌に対して殺菌能を有する新規抗菌ペプチドであることを示した。
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Research Products
(3 results)