2010 Fiscal Year Annual Research Report
種子タンパク質の貯蔵液胞への選別輸送を決定する新規レセプターの同定
Project/Area Number |
21780093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸山 伸之 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90303908)
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Keywords | seed storage protein / vacuole / sorting / receptor |
Research Abstract |
植物細胞の液胞には、動物細胞のリソソームに相当するプロテアーゼを多く含む分解型液胞と発芽時の栄養分となる貯蔵タンパク質や害虫に対する防御タンパク質を蓄積するタンパク質貯蔵液胞とがある。分解型液胞への輸送機構に関する研究はかなり進展しているが、タンパク質貯蔵液胞への輸送機構に関しては不明な点が多い。また、登熟期の種子は、発芽期の栄養源となる種子タンパク質を大量に貯蔵液胞に蓄積するため、タンパク質貯蔵液胞への輸送機構の研究における格好のモデル組織である。タンパク質貯蔵液胞への選別輸送は、複数のタイプの選別輸送シグナルによって制御されていると考えられている。本研究において、今まで解析が進展していない高次構造により形成されるタイプの選別輸送シグナルに対するレセプターの同定を試みる。本年度は、アフィニティーカラムによるレセプターの探索と共に、その輸送経路を明確にするために、A3B4のみをグリシニンのサブユニットとしてもつダイズ系統の登熟期種子を採取し、電子顕微鏡観察を行った。金粒子でラベルしたA3B4に対する抗体で処理したところ主にタンパク質貯蔵液胞が認識された。また、ゴルジ体に対しても抗体が認識している様子が観察された。このことからA3B4はゴルジ体経由でタンパク質貯蔵液胞へ輸送される経路で機能するレセプターに認識されることが示唆された。
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