2009 Fiscal Year Annual Research Report
組み換え酵母を用いたトリテルペノイドライブラリー創製研究
Project/Area Number |
21780100
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
関 光 Yokohama City University, 木原生物学研究所, 特任准教授 (30392004)
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Keywords | トリテルペノイド / 組み換え酵母 / P450 / グリチルレチン酸 / 薬用植物甘草 / タルウマゴヤシ |
Research Abstract |
薬用植物「甘草」カンゾウの主薬用成分であるトリテルペノイドサポニンのグリチルリチンは肝機能障害治療薬として利用されるほか抗炎症、抗腫瘍、抗ウイルスなどの薬理作用を有する。本研究の目的は、グリチルリチンに代表にされるトリテルペノイド化合物の生合成酵素遺伝子、なかでもトリテルペノイド化合物の構造多様化への寄与が大きいP450酸化酵素に注目し、その探索と機能解析を行う。さらに、トリテルペノイド合成関連遺伝子を導入した組み換え酵母を作出し、植物体中にはごく微量にしか存在しない、あるいは非天然型のトリテルペノイドを生産しようとするものである。当該年度研究の成果として、研究代表者らがカンゾウから既に単離していたCYP88D6 (β-amyrin 11位酸化酵素)およびβ-amyrinの30位の酸化反応を触媒するP450について、モデルマメ科植物であるミヤコグサおよびタルウマゴヤシから10以上のホモログ遺伝子を単離した。その結果、タルウマゴヤシから単離した幾つかのCYP72AサブファミリーP450がトリテルペノイド合成に関与することを見出した。さらに、新たに単離したCYP72AサブファミリーP450と先に単離していたCYP93E3 (β-amyrin 24位水酸化酵素)を、β-amyrin生産酵母において同時発現させることで、これまでに植物体からの単離報告のないものも含めて複数種のトリテルペノイド化合物を生産させることができた。また、ミヤコグサの遺伝子共発現データベースから見出した、上記P450とは異なるファミリーに属するP450の一つが、β-amyrinの28位の酸化に関与することを見出した。
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Research Products
(13 results)