2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼの分泌を介した血圧調節機構の解明
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21780103
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
後藤 芳邦 独立行政法人理化学研究所, 薬学部, 助教 (90455345)
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Keywords | アミノペプチダーゼ / マクロファージ / 一酸化窒素 / 血圧調節 / インターフェロン / LPS / 貪食 / 分泌 |
Research Abstract |
脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ(A-LAP)は血圧調節に作用することが示唆されているが、小胞体内腔に存在する本酵素が如何にして、血圧調節に寄与するのかについては明らかにされていない。申請者は、前年度までに、A-LAPがマクロファージの古典的(インターフェロン-γおよびリポ多糖刺激による)活性化に伴い分泌されることを見出した。また、分泌型A-LAPが細胞外で一酸化窒素(NO)の原料であるArgを生成していることを明らかにし、血圧調節に重要である可能性を示した。今年度は、分泌型A-LAPによるArg産生には体液に存在するアミノ末端にアルギニン残基を有するいくつかのペプチド(アンギオテンシンIIIなど)が重要であることを示唆する知見を得た。 A-LAPの分泌には、細胞質でのCa^<2+>濃度の上昇が重要である。しかしながら、細胞質におけるゆるやかなCa^<2+>濃度上昇ではA-LAPの分泌は惹起されず、分泌にはSTIM1の膜移行を介した急激なCa^<2+>濃度上昇が必要であることを明らかにした。さらに、遺伝子発現解析によりA-LAPの分泌を小胞体内で制御している候補タンパク質を選抜することができた。 上記検討の過程で、分泌型A-LAPがNO産生だけではなく、マクロファージの貪食活性やサイトカイン分泌なども制御していることを見出した。NOも降圧だけではなく殺菌物質としても重要であることから、分泌型A-LAPは血圧調節だけではなく、マクロファージによる生体防御において重要であることを示唆している。 また、A-LAPの分泌を制御しうる小胞体タンパク質の候補(4遺伝子)についても遺伝子発現解析から選抜した。
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Research Products
(4 results)