2009 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴うインスリン抵抗性の亜鉛摂取による改善効果の解析
Project/Area Number |
21780120
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 知子 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 助教 (00342783)
|
Keywords | 亜鉛摂取 / 加齢 / インスリン抵抗性 / 糖尿病 / ラット |
Research Abstract |
加齢に伴うインスリン抵抗性の増加は、糖尿病の発症リスクを高め、高齢者のQOLを低下させる大きな要因の一つとなる。一方、インスリン抵抗性を示すことが多い2型糖尿病の改善策として有効である食事制限、運動や服薬などは、高齢者が急激に実践することで他の健康障害を引き起こす可能性も高く、特段の注意が必要となる。したがって、食生活から日常的に摂取可能な亜鉛摂取が、加齢に伴うインスリン抵抗性を改善するか否かを明らかにすることは、高齢者における2型糖尿病の改善につながる可能性が期待できる。そこで本研究では、加齢に伴うインスリン抵抗性の亜鉛摂取による改善効果を、非肥満2型糖尿病モデルであるGK(Goto-Kakizaki)ラット、およびSD系ラットを用いて検討した。若齢期からの亜鉛摂取がインスリン抵抗性の進行に及ぼす影響を明らかにするため、5週齢の雄性GKラットに6か月間、亜鉛欠乏食、低亜鉛食、亜鉛添加食、亜鉛強化食を給餌した。しかし、SD系ラットでは低亜鉛食給餌後に血漿亜鉛濃度が低下したのに対し、GKラットでは低亜鉛食給餌後の血漿亜鉛濃度は低下しなかった。一方、GKラットに亜鉛欠乏食を給餌した場合、SD系ラットと同様、3~4日周期でcyclic patternの摂食量低下が認められ、亜鉛欠乏を呈した。したがって、GKラットにおける検討では、亜鉛欠乏食群、ペアフェド対照群、亜鉛添加食群、亜鉛強化食群の4群を設け、糖代謝に及ぼす影響を比較検討した。その結果、絶食時および非絶食時いずれにおいても、亜鉛が血糖値に及ぼす影響は認められなかった。現在、インスリン抵抗性に関わる他のパラメーターについても検討を進めている。
|