2009 Fiscal Year Annual Research Report
甘味・旨味・苦味・酸味受容細胞以外の味蕾細胞の機能解析
Project/Area Number |
21780121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
應本 真 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特任助教 (30447362)
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Keywords | 味覚 / 味蕾 |
Research Abstract |
食物を摂取した際に生じる味覚は、食品中に含まれる呈味物質が口腔内に存在する味蕾と呼ばれる組織中の味細胞により受容されることにより生じる。味は、一般に甘味、旨味、苦味、酸味、塩味の5基本味に分類され、このうち、甘味、旨味、苦味、酸味の4つの味の受容機構については、分子レベルでの解析が進み、それぞれ異なる味細胞で受容されることが明らかになった。味蕾を構成する細胞のうち、約半数が甘味、旨味、苦味、酸味細胞であるが、残る半数を占める細胞の生理機能については不明であった。本研究では、舌上皮層から味蕾、味蕾を除いた乳頭上皮、および非乳頭上皮の3組織の遺伝子発現データをもとに、味蕾にのみ発現量の多い遺伝子を抽出し、in situハイブリダイゼーションによる発現解析を行い、甘味、旨味、苦味、酸味細胞以外の味蕾細胞に発現する遺伝子を探索した。 DNAマイクロアレイデータから味蕾に高発現している50遺伝子を抽出した。この中には、既に味蕾特異的な発現を示すことが知られている19遺伝子が含まれており、残りの31遺伝子のうち26遺伝子について、マウス有郭乳頭における発現分布をin situハイブリダイゼーションにより解析した結果、17遺伝子が味蕾特異的に発現していた。このうち、既知味細胞マーカー分子との二重in situハイブリダイゼーションによる発現解析を行ったところ、甘味、旨味、苦味、酸味細胞以外の味蕾細胞特異的に発現している2つの遺伝子を見出した。
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