2010 Fiscal Year Annual Research Report
甘味・旨味・苦味・酸味受容細胞以外の味蕾細胞の機能解析
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21780121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
應本 真 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特任助教 (30447362)
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Keywords | 味覚 / 味蕾 |
Research Abstract |
食物を摂取した際に生じる味覚は、食品中に含まれる呈味物質が口腔内に存在する味蕾と呼ばれる組織中の味細胞により受容されることにより生じる。味は、一般に甘味、旨味、苦味、酸味、塩味の5基本味に分類され、このうち、甘味、旨味、苦味、酸味の4つの味の受容機構については、分子レベルでの解析が進み、それぞれ異なる味細胞で受容されることが明らかになった。味蕾を構成する細胞のうち、約半数が甘味、旨味、苦味、酸味細胞であるが、残る半数を占める細胞の生理機能については不明であった。本研究では、それらの味蕾細胞の機能を解明するために、味蕾におけるin situハイブリダイゼーションによる発現解析を行い、甘味、旨味、苦味、酸味細胞以外の味蕾細胞に発現するイオンチャネル遺伝子を探索した。 味蕾を対象としたDNAマイクロアレイデータを用い、味蕾に高発現しているイオンチャネル遺伝子を抽出した。これらの遺伝子について、マウス有郭乳頭における発現分布をin situハイブリダイゼーションにより解析した結果、いくつかの遺伝子のシグナルが味蕾細胞特異的に観察された。このうち、既知味細胞マーカー分子との二重in situハイブリダイゼーションによる発現相関解析を行ったところ、甘味、旨味、苦味、酸味細胞以外の味蕾細胞特異的に発現している遺伝子を見出した。このことから、これらの甘味、旨味、苦味、酸味細胞以外の味蕾細胞にも膜電位の変化が生じうることを見出した。
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