2010 Fiscal Year Annual Research Report
環状糖包接香気成分の機能発現挙動とそのメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
21780129
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
石川 洋哉 福岡女子大学, 人間環境学部, 准教授 (00325490)
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Keywords | 環状四糖 / シクロデキストリン / 抗酸化活性 / 分子包接 / 香気成分 |
Research Abstract |
本研究は、新規化合物である環状四糖・五糖を含む種々の環状糖類を用いた機能性香気成分の安定且つ効率的なデリバリーシステムの構築を目的とする。特に今回の研究課題では、環状糖類により包接された香気成分の機能特性について詳細に検討した。本年度は、抗酸化能を有するeugenol,およびtymolを低分子のモデル化合物として用い、CDによる包接挙動を蛍光スペクトル測定により明らかにするとともに、包接状態での抗酸化能をORAC法により詳細に検討した。 CDとして、市販のα-CD、β-CD、γ-CDを使用した。CD包接化は、eugenol(1.2μM)およびtymol(5.3μM)溶液に対して、CD溶液(0.08-36mM)を等量加え攪拌することにより行った。包接処理後、37℃でプレインキュベートし蛍光スペクトル測定に供した。測定は、励起波長264nm、蛍光波長622nm (eugenol)及び602nm (tymol)で行った。包接挙動を検討した結果、今回供試した化合物ではいずれもCD濃度の増加に伴い蛍光強度が増加し、CDによる抱接が確認されたが、その挙動はCDの種類により異なるものであった。続いて、得られた結果をもとにBenesi-Hildebrand plot (BH-plot)を行い、結合定数(K)の算出を試みた。その結果、α-CDの結合性が弱いこと、β-CD、γ-CDでは濃度範囲により結合性が変化することが判明した。続いて、各種包接条件下でのORAC測定を試みた結果、α-CD、β-CD包接では活性値にほとんど影響が認められなかったが、γ-CD包接では活性値がCD濃度依存的に増加することが明らかになった。
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Research Products
(2 results)