2010 Fiscal Year Annual Research Report
光合成特性評価における簡便な手法の検討と対応する光環境の予測
Project/Area Number |
21780145
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
楢本 正明 静岡大学, 農学部, 助教 (10507635)
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Keywords | 森林生態 / 生理生態 / 生物環境 |
Research Abstract |
光は植物の成長に不可欠な光合成の駆動力であるが、その多くは光合成に利用されない光であり、またこうした過剰な光は光合成を低下させる要因となり得る。そこで、ブナ樹冠内の異なる光環境を対象に光環境と光合成特性の測定から、樹冠内での光環境・過剰光に対する生理特性の応答ついて整理した。 樹冠内の光環境は、最下層において相対光量子束密度1.65±0.2%まで低下する。最大光合成速度は2.3~11.4μmolm^<-2>s^<-1>の範囲にあり、相対光量子束密度50%以上では最大光合成速度の増加はほとんど見られない。携帯型光学ポリフェノール測定器を用いて測定されたポリフェノール量は0.02~0.15μmolm^<-2>の範囲にあり、相対光量子束密度との関係において最大光合成速度よりも高い正の相関関係を示した。また、比葉面積(SLA)は、約100~440cm^2g^<-1>の値を示し、SLAと最大光合成速度、ポリフェノール量は負の関係を示した。 SLAが葉の生理特性を表す指標となり得ることから、リタートラップを用いて回収された落葉のSLA分布を求めた結果、130cm^2g^<-1>付近にピークを持ち90~500cm^2g^<-1>の範囲に分布した。SLAの分布から光合成能力(生理特性)別の葉量が推定された。
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Research Products
(2 results)