2012 Fiscal Year Annual Research Report
樹木の葉内のアクアポリンが葉の通水性および葉のガス交換特性に及ぼす影響
Project/Area Number |
21780161
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
原山 尚徳 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, その他 (60353819)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 葉の通水コンダクタンス / 水チャネル / 気孔コンダクタンス |
Research Abstract |
アクアポリンは、生体膜の水透過性を制御する膜タンパク質である。本研究では、樹木の葉内に存在するアクアポリンが、環境変化に対する樹木の葉の通水性と気孔開閉において、どのような役割を果たしているかを明らかにすることを目的としている。今年度は、高CO2条件が葉の通水性およびとアクアポリン活性に及ぼす影響を調べた。自然光型環境調節室で、シラカンバとケヤマハンノキの2年生ポット苗を高CO2濃度720ppmと通常CO2濃度370ppm条件下で育成し、気孔コンダクタンスと葉の通水コンダクタンスを測定した。通水コンダクタンスは、アクアポリンの水透過性を制限する塩化第二水銀溶液を処理した葉でも測定し、未処理の葉の通水コンダクタンスと比較することでアクアポリン活性を調べた。その結果、ケヤマハンノキでは、高CO2条件下のほうが通常CO2条件下よりも葉の通水コンダクタンスは9%低かった。また高CO2条件のほうが通常CO2条件よりも葉のアクアポリン活性が低かった。一方、シラカンバでは、葉の通水性やアクアポリン活性に対する高CO2の効果は認められなかった。気孔コンダクタンスは、ケヤマハンノキでは高CO2条件と通常CO2条件でほぼ同じような値を示したのに対して、シラカンバでは15%ほど高CO2条件下で低かった。これらの結果から、高CO2に対する葉の通水性の応答には樹種間差があり、それにはアクアポリン活性が関与していることが示唆された。また、高CO2条件に対する気孔コンダクタンスの応答と葉の通水コンダクタンスの応答には明瞭な関係がなく、高CO2条件によって崩れる植物体の水バランスを、葉量など他の特性によって調整していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)