2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホヤのセルロース合成タンパク複合体の構成分子の網羅的同定
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21780166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 啓介 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 研究員(科学研究) (10422924)
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Keywords | セルロース / ターミナル・コンプレックス / セルロース合成複合体 / カタユウレイボヤ / 動物 / 膜タンパク複合体 / プロテオミクス / ホヤ |
Research Abstract |
1. 抗セルロース合成酵素抗体の精製 本課題の成否を握るひとつの鍵は抗セルロース合成酵素抗体の性能にある。カタユウレイボヤのセルロース合成酵素の部分ペプチドに対するウサギ血清を準備し、その性能を評価した。胚抽出粗タンパクを試料にウェスタンブロッティングを行ったところ、予想と異なる位置に複数のバンドが認められたため、抗原ペプチドの吸着カラムを作成し、抗体のアフィニティ精製を行った。得られた精製抗体を用いて、再度ウェスタンブロッティングを行ったところ、バンドは2本に絞られた。また、精製前後の抗体を用いて胚のホールマウント免疫染色を行ったところ、精製前の血清にみとめられたバックグラウンドが、精製抗体では劇的に減少し、予想された表皮のみに明瞭なシグナルが得られた。研究計画に含まれる免疫沈降実験においては、抗原抗体反応の擬陽性を減らすことが極めて重要であるため、本精製行程は研究目的の達成に向けた重要な一歩であると考えられる。 2. インビトロ合成 細胞破砕の条件検討を詳細に行った結果、超音波法・フレンチプレス法が有効であることが判明した。処理量の多さを勘案するとフレンチプレス法がより優れていた。細胞破砕して得られた粗膜タンパク質画分を用いてインビトロ合成を行い、得られた産物を電子顕微鏡を用いて観察したところ、繊維状の構造物が認められた。成分同定を行うためには収量をあげる必要があるため、実験条件(バッファ・キレート剤・反応基質・界面活性剤など)の詳細な検討を行っている。
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