2009 Fiscal Year Annual Research Report
同時酸分解・発酵処理による樹皮タンニンからの汎用性ポリマー原料生産システムの構築
Project/Area Number |
21780169
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
大塚 祐一郎 Forestry and Forest Products Research Institute, バイオマス化学研究領域, 研究員 (80455261)
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Keywords | タンニン / 代謝工学 / バイオマス / ポリマー原料 / 酸分解 / Burkholderia / カテキン / 2-ピロン-4,6-ジカルボン酸 |
Research Abstract |
酸性土壌より単離した新規カテキン分解細菌Burkholderia oxyphila OX-01株のカテキン分解機能を解析する為に、カテキン分解能を欠損した変異株5株に対してOX-01株のゲノムから作成したゲノムライブラリーを導入し、相補実験を行ったところ、カテキン分解機能を復帰させるゲノム断片を得た。このゲノム断片を詳細に解析することにより、カテキン分解機能を担う遺伝子の特定を試みたが、明らかとなった機能遺伝子はカテキンを細胞内に取り込むタンパクもしくは転写制御因子をコードする遺伝子であった。このことからOX-01株のカテキン代謝をコードする遺伝子群はOX-01株内に2セット以上保持していることが強く示唆された。そこで、次世代シークエンサーGAIIを用いてOX-01株の全ゲノム配列を決定を行った。得られたゲノム配列情報から、芳香族代謝に関わる遺伝子クラスターを網羅的に解析したところ、芳香族代謝クラスターを10セット以上保持していることが明らかとなった。またOX-01株の休止菌体とカテキンとの反応によりプロトカテキュ酸が生成していることが明らかとなり、OX-01株のカテキン代謝経路はプロトカテキュ酸を経由することが明らかとなった。今後ゲノムライブラリーとゲノム配列情報からカテキン代謝を担う遺伝子クラスターを特定し、カテキンからポリマー原料となりうる2-ピロン-4,6-ジカルボン酸へと変換する組換え微生物の作成を行う予定である。
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Research Products
(1 results)