2011 Fiscal Year Annual Research Report
同時酸分解・発酵処理による樹皮タンニンからの汎用性ポリマー原料生産システムの構築
Project/Area Number |
21780169
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
大塚 祐一郎 独立行政法人森林総合研究所, バイオマス化学研究領域, 主任研究員 (80455261)
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Keywords | タンニン / 代謝工学 / ポリマー原料 / 酸分解 / バイオマス |
Research Abstract |
OX-01株のゲノムライブラリーとミュータントライブラリーを用いた相補試験により、LysRファミリー転写因子により制御されるカテキン分解遺伝子クラスターを発見した。この遺伝子クラスターは13個のORFから構成されており、これまでの粗酵素試験によって明らかとなっているカテキンからロイコシアニジンを経由してタキシフォリンへと変換された後、C環の開裂により芳香族モノマーに分解され代謝されていくことが示唆された。この遺伝子クラスター中の遺伝子群と既に単離している芳香族モノマーからPDCへと変換する遺伝子群を連結することで、カテキンからPDCを生産蓄積するための代謝遺伝子の設計が可能であることが明らかとなった。また、樹皮から抽出した縮合型タンニンの同時酸分解発酵の培養条件を明らかにするため、ジャーファーメンターを用いたOX-01株の培養試験を行った。様々な条件検討の結果、pH3.5の酸性条件でグルコースを炭素源として0.D.600=40以上の高密度培養が可能であること、さらにその条件で炭素源を徐々にカテキンへとシフトすることでカテキン代謝機能を効率よく発現誘導出来ることが明らかとなった。以上の結果から、OX-Ol株のカテキン代謝遺伝子群に芳香族モノマーからPDCへと変換する遺伝子群を連結した遺伝子クラスターを作成し、それを導入した組換え微生物を作成した後、ジャーファーメンターによるpH3.5の酸性条件での高密度培養からカテキン代謝遺伝子の発現誘導を行うことで、縮合型タンニンの同時酸分解発酵技術の構築が可能になると考えられる。
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