2010 Fiscal Year Annual Research Report
伝統構法の構造特性を考慮した地震時の木造住宅の倒壊解析手法の開発
Project/Area Number |
21780171
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
中川 貴文 独立行政法人建築研究所, 材料研究グループ, 研究員 (60414968)
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Keywords | 建築構造・材料 / 解析・評価 / 伝統的木造住宅 / 地震応答解析 / 個別要素法 / 石場立て |
Research Abstract |
伝統的木造住宅の耐震性能はこれまでに多くの研究によって検討されているが、多数の組物による応力の伝達機構や、大変形域で破壊過程の複雑さがあり、未だ明らかになっていないことが多い。また近年の地震による被害例が多いのも確かで、その構造性能の工学的評価は十分に検討されていないのが現状である。本研究では、研究代表者が開発した倒壊解析プログラムに、伝統的構法特有の耐力発現機構、破壊過程のモデル化を新たに加えることで、伝統的木造住宅の大変形挙動を含めた耐震性評価手法の開発を行うものである。平成22年度の成果を以下に示す。(1)伝統的構法特有の耐力発現機構、破壊過程を考慮した解析プログラムの開発:渡顎接合部をモデル化した新たなばねのモデル化、柱脚の2次元的な滑りを考慮したクーロン摩擦をモデル化した滑り支承ばね要素の導入を行い、解析プログラムの改良を行った。解析結果を動画によって確認できるようにインターフェースの改良を行った。(2)接合部、部材の強度実験データ収集:昨年度に引き続き伝統構法で用いられている鼻栓、込み栓接合部の実験データを入手した。鉛直荷重を作用させた土塗り壁のせん断試験の荷重変形データを入手した。(3)建物全体の地震時応答シミュレーションの実施、震動台実験との比較:平成23年1月に実施された伝統的木造住宅の震動台実験(防災科学技術研究所 E-ディフェンスにて実施)と、本研究で開発した応答計算プログラムの同条件解析結果との比較によって精度の検証を行った。2階建ての土塗り壁の試験体に関して、柱脚の2次元的な滑り、浮き上がり、土塗り壁の破壊状況を含め、精度よく再現できる解析モデルが構築可能であることが分かった。
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