2009 Fiscal Year Annual Research Report
甲殻類の性分化を制御するヘテロ2本鎖糖ペプチド(造雄腺ホルモン)の作製と機能解析
Project/Area Number |
21780186
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
大平 剛 Kanagawa University, 理学部, 助教 (10361809)
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Keywords | 造雄腺ホルモン / オカダンゴムシ / オニテナガエビ / 十脚目 / 等脚目 / 甲殻類 / 性転換 / 性分化 |
Research Abstract |
造雄腺ホルモン(AGH)前駆体はN末端側からB鎖、Cペプチド、A鎖からなり、Cペプチドが除去されて成熟型となる。最初に、AGH前駆体からCペプチドを効率よく除去する技術の確立を行った。大腸菌で発現させたオカダンゴムシの組換えAGH前駆体を、低濃度(0.25ng/μ1)のメタロエンドペプチダーゼで8時間消化したところ、Cペプチドの両端をほぼ完全に切断できた。消化産物を逆相のHPLCに供したところ、B鎖とA鎖からなるヘテロ2本鎖ペプチドが簡便に精製できた。 次に、糖鎖が付加した組換えオカダンゴムシAGH前駆体を得るために、バキュロウイルス・昆虫細胞発現系で組換えAGHを発現させることにした。オカダンゴムシAGH cDNAをポリヘドリンプロモーターの下流に組み込んだ組換えバキュロウイルスDNAを作製した。組換えバキュロウイルスDNAをリポフェクション法により昆虫培養細胞sf9へ導入し、組換えオカダンゴムシAGH前駆体を発現させた。今後、上述の方法を用いて組換えAGH前駆体からCペプチドの除去を行う予定である。 十脚目のAGHではないかと考えられているインスリン様造雄腺特異的因子(IAG)をコードするcDNAを、オニテナガエビから単離した。オニテナガエビのIAGにもオカダンゴムシのAGHと同様に糖鎖付加モチーフが存在したことから、組換えオニテナガエビIAG前駆体を得るために、バキュロウイルス・昆虫細胞発現系で組換えIAGを発現させた。
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