2009 Fiscal Year Annual Research Report
二枚貝平滑筋トゥイッチンの構造特性解析に基づいたキャッチ収縮分子モデルの構築
Project/Area Number |
21780195
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
舩原 大輔 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (00335150)
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Keywords | キャッチ収縮 / トゥイッチン / ミオシン / アクチン / 等温滴定カロリメトリー |
Research Abstract |
二枚貝キャッチ筋に観察される省エネルギー筋収縮機構であるキャッチ収縮は,筋タンパク質であるミオシンとアクチン,トゥイッチンが複合体を形成することで引き起こされる可能性が示唆されている.そこで本研究では,それらがどのように複合体を形成するのかについて調べることとした.まず,複合体形成に必要な結合領域の解析をした.予備実験によって,アクチンのN末端領域とトゥイッチンD2リン酸化部位(TWD2S)が結合することが分かっていたので,当該領域の配列をもとに作製したアクチンペプチドとTWD2Sの結合を等温滴定カロリメトリー(ITC)測定した.その結果,アクチンとTWD2Sの結合定数は(5.83±0.05)×10^4M^<-1>と分かった.次に,ミオシンのループ2領域とTWD2Sが結合することが分かっていたので,当該領域の配列をもとに作製したミオシンループ2ペプチドとTWD2Sの結合をITC測定した.その結果,ミオシンとTWD2Sの結合定数は(2.44±0.09)×10^5M^<-1>と分かった.リン酸化したTWD2Sを用いた場合には,結合による熱反応は検出されず,結合しないことが分かった.以上の結果から,ミオシン・アクチン・トゥイッチン複合体に関与する領域を同定することができた.そこで,より詳細に複合体形成を解析するために,アミノ酸を置換したミオシンS1の発現組換体を作製するために,まずミオシンS1の発現系の確率を目指した.ミオシンS1は高分子量で構造が複雑なため大腸菌発現系では発現が不可能であることから,コムギ胚芽抽出液を用いた無細胞タンパク質発現系を用いた.ウェスタンブロッティングの結果,ミオシンS1の発現が確認された.今後,アミノ酸変異体などを作製する予定である.
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