2010 Fiscal Year Annual Research Report
二枚貝平滑筋トゥイッチンの構造特性解析に基づいたキャッチ収縮分子モデルの構築
Project/Area Number |
21780195
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
舩原 大輔 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (00335150)
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Keywords | キャッチ収縮 / トゥイッチン / ミオシン / アクチン / 等温滴定カロリメトリー / RNA干渉 |
Research Abstract |
二枚貝キャッチ筋に観察される省エネルギー筋収縮機構であるキャッチ収縮は,筋タンパク質であるミオシンとアクチン,トゥイッチンが複合体を形成することで引き起こされる可能性が示唆されている.昨年度に等温滴定カロリメトリー(ITC)解析により,アクチンのミオシン結合部位とミオシンのループ2領域がそれぞれ非リン酸化トゥイッチンに結合することが明らかとなったことから,本年度はより詳細に複合体形成を解析するために,トゥイッチンのミオシン結合部位の同定を試みた.トゥイッチンD2リン酸化部位領域を12分割した配列を有するペプチド(TW4197-4216, TW4217-4236, TW4237-4256, TW4257-4276, TW4277-4296, TW4297-4309, TW4310-4329, TW4330-4349, TW4350-4369, TW4370-4389, TW4390-4409, TW4410-4427)(数字はトゥイッチンN末端からのナミノ酸残基数を示す)を作製し,それらとミオシンループ2ペプチドとの結合についてITCによる解析を行ったところ,D2リン酸化部位周辺に位置する5つのペプチド(TW4257-4276, TW4277-4296, TW4297-4309, TW4310-4329, TW4330-4349)が結合性を示した.この結果から,トゥイッチンのミオシン結合部位はリン酸化部位周辺の二次構造を有さない領域であることが分かった.さらに,RNA干渉法によりキャッチ筋タンパク質ノックダウン・ムラサキイガイの作出を試みた.まずパラミオシンおよびミオシンの二本鎖RNAをムラサキイガイに投与し1週間飼育したところ,それらの発現が抑制されていた.このことからRNA干渉法がキャッチ筋タンパク質の機能解析に有用であることが分かった.
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Research Products
(1 results)