2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780197
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
深田 陽久 Kochi University, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (10380304)
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Keywords | 養魚飼料 / インスリン様成長因子-I / IGF結合タンパク / ブリ |
Research Abstract |
本研究では、成長因子(インスリン様成長因子-1:IGF-I)とその結合タンパク(IGFBP)を指標に用いた飼料の開発を目的とした。はじめにこれらの成長因子によって飼料中の適正なタンパク含量を決定できるか検討した。魚粉を主タンパク源としたタンパク含量(CP)の異なる(40、50、60%)3種の餌を作製し、これをブリ0歳魚に飽食で与えた。飼育期間は6週間とし、3週ごとに体重測定を行い、成長成績を算出し、肝臓と筋肉における成長因子の遺伝子発現量を測定した。成長ではCP50飼料区とCP60飼料区がほぼ同等の値を示し、CP40飼料区は両区に比べ劣っていた。飼料効率では、CP含量の増加に伴い向上していた。 試験開始3週後の肝臓と6週目の筋肉におけるIGF-I遺伝子発現量は試験終了時における魚体の成長を反映していた。成長を抑制する肝臓IGFBP1および肝臓IGFBP2の試験開始3週後の遺伝子発現量は成長と逆の傾向を示していた。これらの事から肝臓もしくは筋肉中の成長関連因子を測定することによって飼料の至適タンパク含量を決定できると考えられた。本研究の結果から得られた至適タンパク含量は50-60%の間であり、これはこれまでの知見と一致したことから、本方法によって至適タンパク含量を従来の方法より短期間で決定できると考えられる。次に、成長因子の発現を誘起するアミノ酸の検索をIGF-1を指標として行った。ブリ0歳魚の背部筋肉中に13種のアミノ酸を投与した。ネガティブコントロールには0.9%NaCl溶液を用い、ポジティブコントロールにはサケ成長ホルモン(sGH)を用いた。その結果、IGF-IはsGH、グリシン、メチオニン、アスパラギン、グルタミンおよびフェニルアラニン投与によって0.9%NaCl投与より高い遺伝子発現量を示した。これらのアミノ酸を飼料に添加することによって成長を改善できるか今後検討を行う。
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Research Products
(3 results)