2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシン重鎖遺伝子クラスターの起源、意義そして発現調節機構の解明
Project/Area Number |
21780198
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
池田 大介 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (00466806)
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Keywords | ゲノム / ミオシン重鎖 / 遺伝子クラスター / 発生進化 / ヤツメウナギ |
Research Abstract |
1.前年度に引き続き、カワヤツメのミオシン重鎖遺伝子、MYH1およびMYH2の上流約5kbを組み込んだGFPもしくはRFPコンストラクトをゼブラフィッシュ受精卵に顕微注入し、蛍光タンパク質の発現を観察した。この際、環状のベクターをそのままインジェクションするのではなく、作製したレポーターベクターを鋳型にしたロングPCR法により、目的とするプロモータ領域およびレポーター遺伝子部分のみを増幅し、精製した直鎖状のPCR産物をインジェクションした。興味深いことに、一部の個体では顎の筋肉における蛍光タンパク質の発現がみられた。また、トランスジェニック系統の確立を目指し、蛍光タンパク質の発現が強い個体を選抜し飼育を継続した。 2.脊椎動物における速筋型重鎖遺伝子クラスターの起源や意義を解明する研究の一環として、カワヤツメMYHクラスターの塩基配列の決定を試みた。ウミヤツメゲノムデータベースおよびカワヤツメミオシン重鎖遺伝子、MYH1およびMYH2のcDNA配列を参考に設計したプライマーを使用し、カワヤツメのゲノムDNAを鋳型にロングPCRを行った。その結果、対象領域は11断片のPCR産物でカバーすることができた。次に、各PCR産物につきショットガンライブラリーを作製し、合計約2300クローンを解析したところ、MYH2上流からMYH1の第3エクソンまで、約87kbの塩基配列を決定することができた。これまで報告されている真骨魚類の速筋型MYHの大きさが約12kb程度であるのに対し、MYH2およびMYH3はそれぞれ約27kbおよび36kbであった。さらに、各MYHのエクソン-イントロン構造を調べたところ、四足類および真骨魚類のそれに一致した。したがって、速筋型MYHの遺伝子構造は初期の脊椎動物が出現した段階において、既に定まっていたことが示唆された。
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Research Products
(3 results)