2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい水産資源としてのイソギンチャクの有効利用に関する基礎的研究
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21780200
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Research Institution | Tokai University Junior College |
Principal Investigator |
本間 智寛 東海大学短期大学部, 食物栄養学科, 講師 (90435272)
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Keywords | イソギンチャク / ペプチド毒 / 水産資源 / 食用 / オヨギイソギンチャク |
Research Abstract |
1.有明海沿岸で食用とされるイシワケイソギンチャクから単離したペプチド毒のcDNAクローニングを行い、3'Race法によって、C末端部のアミノ酸配列を明らかにした。 2.隠岐の島沿岸で食用とされる深海産イソギンチャクの毒性を調べたところ、粗抽出液のサワガニに対する毒性は、致死活性が32倍希釈液、麻痺活性が64倍希釈液まで認められた。マウスに対する毒性は低く、静脈投与と腹腔内投与において、原液のみに活性が認められた。 3.上記イソギンチャクからサワガニに対する毒性を指標にして、サイズ排除クロマトグラフィーと逆相HPLCによって、サワガニに致死あるいは麻痺活性を示す6成分のペプチド毒を単離し、そのN末端アミノ酸配列を解明した。内1成分については、シマキッカイソギンチャク由来のAm IIと相同性が見られたが、他の成分については、従来のイソギンチャクのペプチド毒とは相同性を示さない新規ペプチド毒と判断された。現在、単離したペプチド毒の全アミノ酸配列の解明と、混合物であった成分についてはその精製を試みている。 4.養殖場の魚網などに付着して大量発生し、深刻な漁業被害をもたらすオヨギイソギンチャクの毒性を調べたところ、粗抽出液のサワガニに対する毒性は、致死活性が16倍希釈液、麻痺活性が32倍希釈液まで認められた。現在、サイズ排除クロマトグラフィーと逆相HPLCによって、毒成分の単離を試みている。
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