2011 Fiscal Year Annual Research Report
参入企業による農業経営の実態と地域社会・経済との関係に関する実証的研究
Project/Area Number |
21780206
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
新開 章司 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (30335997)
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Keywords | 農業経営 / 企業参入 / 植物工場 / 企業的農業 |
Research Abstract |
本研究の目的は,「企業による農業経営」や企業的農業経営に焦点をあて,(1)その経営実態と成果を明らかにすること、(2)参入企業農業の地域社会・経済に与える影響を実証的に分析すること、(3)企業農業と地域社会・経済との関係を国際比較すること、であった。 平成23年度は、目的(1)について、企業的農業経営の6次産業化に焦点をあて、南九州におけるカット野菜事業をめぐる企業的農業経営の多角化の実態調査を進めた。その成果を「カット野菜による農業経営の多角化」として公表した。 目的(2)については、企業的農業経営者・労働者と地域社会との関係を分析するため、企業的農業経営で農業に従事する外国人実習生と地域社会との関係について調査を行い、その成果はISSAAS Congress 2011で発表した。 目約(2)、(3)については、昨年度に引き続き米国のCSA(Community Supported Agriculture)の調査を行った。とくに今年度、北東部およびカリフォルニア州の調査で明らかすなったことは、CSAの変容を示しており、CSAがビジネスとして新たな局面にあることを示している。また、企業的経営は、独自の販売ルートでの販売を志向する事例が多いことから、独自販売の一形態であるファーマーズ・マーケットでの販売についての調査を進めたが、一部の農業経営の販売活動が、ファーマーズ・マーケットの運営に新たな問題を提起していることが明らかになったことは重要な成果であった。 これまで3年間の実証研究の成果を、雑誌論文2編、著書6冊(共著)、2冊のガイドブックとして取りまとめ、とくに「企業的農業経営を対象とした農業経営学の展開方向」として、企業的農業経営および参入企業の経営行動を理論的にも整理することができたことは大きな成果であった。
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Research Products
(5 results)