2010 Fiscal Year Annual Research Report
植民地期朝鮮における農業教育と勧農政策-普通学校を中心に-
Project/Area Number |
21780215
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
土井 浩嗣 熊本学園大学, 外国語学部, 講師 (50522398)
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Keywords | 農業教育 / 農業史 / 教育史 / 朝鮮史 / 韓国 / 朝鮮 / 植民地 |
Research Abstract |
本研究計画の2年目に当たる平成22年度は、農業教育関連の資料を日本国内や韓国で調査・収集するだけではなく、学会発表や論文執筆に向けて資料の整理・分析に努めた1年であった。 まず資料の調査・収集に関しては、『文教の朝鮮』『朝鮮農会報』などの雑誌資料を調査し普通学校を中心とした農業教育に関する論説・報告・統計などの収集・整理した。なかでも、韓国・ソウルでの調査を通じて『朝鮮教育会雑誌』の日本未所蔵号を収集できたことは大きな収穫であった。 次に、昨年度以降収集した資料の整理・分析を進めていくことによって、以下に挙げる主に2つの研究成果を上げることができた。第一に、平成22年(2010年)11月6日開催の社会経済史学会九州部会10月例会(下関市立大学)において、「植民地期朝鮮における普通学校と農業教育-1910年代の実態と1920年代への継続性について-」というテーマで学会発表を行った。これは昨年度の成果である1910年代の普通学校における農業教育を基盤としながら、1920年代への農業教育の継続性を展望したものである。第二に、平成23年3月に、論文「1910年代の朝鮮における簡易農業学校-朝鮮の実業補習学校の前史として-」を『海外事情研究』第38巻2号に発表した。本計画では当初普通学校に重点を置いて検討する見通しであったが、調査が進むなかで普通学校に併設された簡易農業学校→実業補習学校の存在も、特に1920年代以降大きいことが新たに明らかとなってきた。そこで、取り急ぎ1910年代の簡易農業学校に関して分析を行い論文として発表することになったが、これによって次年度1920年代の普通学校や実業補習学校に関して考察を進めていくことが可能となり、本研究の遂行にとって非常に重要な研究成果となった。
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