2009 Fiscal Year Annual Research Report
農山村地域の自律的発展を支える地域社会システムの構築に向けた実践的課題の構築
Project/Area Number |
21780223
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中島 正裕 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 講師 (80436675)
|
Keywords | ネットワーク分析 / 地域社会システム / 耕作放棄地 / 組織構造 / 外部主体 / 意思決定支援 |
Research Abstract |
平成21年度は、「外来者主導型地域社会システムの形成プロセス・運営実態の定性的解明」に関する研究を行った。具体的には、「黒森もりもり倶楽部」を対象として、外来者・地元住民協働体制による活動実態(組織構造、活動内容、運営方法、活動成果)を時系列的に分析した。その中で組織構造に関しては、地域内部に重層する組織構成住民間の伝統的社会関係や構成員個々人のインフォーマルな社会関係自体に焦点をあてながら、新規参入者と地元住民の社会関係構造を探った。さらには、外来者が地元住民との協働体制を築き人的ネットワークを拡張させていく上での要素(どのように外来者から住民へ働きかけ、住民の意識と行動が変化し協働体制が形成された?)を考察した。 また、本研究の"大目的"は「農山村地域の自律的発展の基盤を支える地域社会システムの構築」に貢献できる論理と評価手法を考案することであり、この研究課題を遂行して行くにあたり、国内の事例のみを研究対象としていた。しかし、こうした農山村地域の自律的発展に関する実践活動、研究活動は欧州でも重要課題であり、特に英国イングランドはEndogenous development、Neo endogenous developmentとうい概念に基づき、90年代以降、農山村地域の自律的発展に向けた実践活動、研究活動が積極的に行われてきている。そこで、英国ニューカッスル大学の研究機関であるCentre for rural economyに滞在して、同研究機関が実践しているプロジェクト-Northern rural network(イングランド北部の内発的発展支援プログラム)-について、Dr.Jane Attertonらの協力を得て、ヒアリング・文献調査、及びワークショップ・セミナー参加により、本研究の大目的に寄与する有益な情報、知見、研究者ネットワークを得ることができた。
|