2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウォーターハーベスティング最適設計のための2次元土壌水分挙動モデルの開発
Project/Area Number |
21780224
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
齊藤 忠臣 Tottori University, 農学部, 講師 (70515824)
|
Keywords | ウォーターハーベスティング / 数値計算 / 水移動 / 乾燥地 |
Research Abstract |
本研究は,乾燥地の表面流出水捕集技術であるウォーターハーベスティングの地域環境条件に応じた最適設計を可能とするため,表面流出量と土壌面蒸発速度を高精度で予測可能な2次元土壌水分挙動モデルの開発を行うことを目的としている. 本年度は,基礎データ・圃場データの収集とモデル構築のための環境整備を中心に研究を進めた.中国黄土高原・陝西省神木県六道溝流域での圃場調査を,現地の雨季前後である5月と10月の計2回実施した.ウォーターハーベスティングシステム(魚鱗坑)の地中に設置されている土壌水分・温度センサ等の各種測器からデータを回収し,保守管理を行うと同時に,必要に応じてセンサの追加を行った.なお,2009年春季に,現地農民の火の不始末により実験サイトが野火に巻き込まれ,多くのロガーやセンサが焼失した.これにより,中国での圃場実験の進行度・データの蓄積には当初の予定よりも遅れが生じている.一方で,ヨルダン科学技術大学マジェッド教授の協力の下,2009年12月よりヨルダンにおけるウォーターハーベスティングの圃場実験を開始した. 研究成果のうち,主に中国黄土高原の圃場実験から得られた水分モニタリング結果や,現地の植林樹木の成長・土壌・地形の関係性について,学会ならびに雑誌において発表した.また,圃場における水分モニタリングの精度向上のため,誘電率水分計の温度依存性校正に関する研究を行い,これらの成果についても学会ならびに雑誌において発表した.また,モデル開発に必要となる知識・技術を得るため,水移動数値計算に関連する学会・セミナー等に積極的に参加した.
|