2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波を利用した粘土地盤環境の非破壊モニタリング法の開発
Project/Area Number |
21780227
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宮本 英揮 佐賀大学, 農学部, 准教授 (10423584)
|
Keywords | 地盤工学 / 農業土木 / 土壌学 / 土壌誘電物性 / モニタリング |
Research Abstract |
重粘土が堆積した低平地における農業には,作目と土壌の性質とを考慮した高度な農地管理が要求される。しかし,そうした農地の状態をリアルタイムで把握することは難しく,実用性と汎用性を兼ね備えた土壌モニタリング技術の確立が切望されている。本研究では,重粘土の水分・溶質計測技術として,マイクロ波インパルス信号を用いた時間領域透過法(TDT)の利用を提案し,その実用化のための基礎的知見収集ならびに計測基盤の整備を2ヵ年計画で実施した。 平成22年度は,前年度(平成21年度)に得た知見に基づき,次の(1)~(3)の3点について検討した。 (1)重粘土におけるマイクロ波の速度スペクトルの解析:前年度に取得した様々な粘土の誘電緩和スペクトル,すなわち複素誘電率の実数部(ε')と虚数部(ε")の周波数スペクトルデータから,マイクロ波信号の速度スペクトルを算出した。そして,粘土の水分量変化に対する速度スペクトルの変化から,小型TDTセンサーによる伝播時間計測に適した周波数を特定した。 (2)TDTによる水分・溶質濃度計測手法の検討:単純な土粒子構造を示す砂を供試材料として,前年度に開発したTDT計測システムによる水分・溶質濃度の同時計測実験を実施し,両者の同時計測が可能であることを確認するとともに,その計測モデルを構築した。 (3)重粘土へのTDTの適用:(1)および(2)の取り組みで構築したTDTシステムを利用して,粘土スラリーを供試材料として,各試料の透過信号計測実験を実施した結果,重粘土に構築した手法をそのまま適用できず,信号解析手順のさらなる改良が必要であることが判明した。
|
Research Products
(1 results)