2009 Fiscal Year Annual Research Report
カエル類を指標とした圃場整備事業の影響評価・予測手法に関する研究
Project/Area Number |
21780228
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
渡部 恵司 National Agricultural Research Organization, 農村工学研究所・農村環境部・生態工学研究室, 研究員 (50527017)
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Keywords | 農業工学 / 環境調和型農林水産 / 生態系修復・整備 / カエル類 / 水田水域 / Rana porosa porosa / Rana japonica / Rhacophorus schlegelii |
Research Abstract |
本研究の目的は,水田水域を主な生息場とするカエル類を対象として生息状況と自然的・人為的な環境因子(地形,農業農村整備事業の内容,工数等)との関係を明らかにすること,そして生息ポテンシャル予測や個体群存続性の評価から農業農村整備事業における生態系配慮シナリオに対するカエル個体群への影響を算定することである。本年度の主な成果は以下の2つである。 1. カエル類の生息状況と環境因子の把握:茨城県桜川流域(つくば市・土浦市)の173地点においてトウキョウダルマガエル,ニホンアカガエル及びシュレーゲルアオガエルの生息状況並びに地点周辺での農業農村整備事業の実施状況及びネットワークの分断状況を調査した。現地調査で得たデータ及び第4次土地利用整備基盤整備基本調査・地形図等の地図データから,流域スケール及び小流域スケール(流域内での県営土地改良事業地区:女堰地区,新治地区)において,多変量解析により因子間,因子―3種それぞれの生息量間の関係性を明らかにし,それぞれの種の生息ポテンシャル予測モデルを作成した。 2. カエル類の保全対策の評価:農業農村整備で行われる農業水路のコンクリート化はカエル類生息の阻害因子(転落したカエルが脱出できない)であり,影響緩和策が必要とされる。ニホンアカガエルの移動を表現した数理モデルを作成し,コンクリート水路での個体の転落死亡率及び緩和策による横断可能率が個体群の存続性に与える影響をシミュレーションにより明らかにした。
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Research Products
(4 results)