2010 Fiscal Year Annual Research Report
園芸施設屋根面を利用した栽培調和型太陽光発電システム
Project/Area Number |
21780230
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
谷野 章 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (70292670)
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Keywords | 太陽光発電 / 施設園芸 / 再生可能エネルギー |
Research Abstract |
園芸施設の作物に未利用部分の日射で太陽光発電を行い、得られた電力で施設内の環境制御装置を運転し、結果として作物の収量や品質を向上させる。太陽電池製造時に排出するCO_2を作物が吸収するCO_2で相殺し、発電電力および作物の売り上げで太陽電池導入コストを数年かけて回収する。このような栽培調和型太陽光発電システムの開発を全体構想とした。特に、本申請に係る研究期間(3年間)では、作物に照射される日射の低下を最小としながら、最大の発電量が得られるような園芸ハウス屋根面への太陽電池の配置方法を定量的に明らかにすることを目的とした。今年度は、太陽電池アレイを東西棟ハウス南屋根面に直線状または格子状に設置し、屋外1地点、ハウス内7地点で年間計測した日射を、前年度に作成したシミュレーションプログラムによって位置毎に再現し、実測値と計算値の近似を評価した。時間精度は1分、位置精度は10cmとした。太陽電池モジュールは、1枚の大きさが短辺412mm、長辺832mm、厚さ1mm、質量0.42kgであり、フレキシブルなアモルファスシリコン製である。これを30枚並列接続して、太陽電池アレイとした。太陽電池アレイがハウス土地面積に占める割合は11%である。傾斜面全天日射量に太陽電池アレイの面積、エネルギー変換効率および被覆資材透過率を乗じて太陽電池アレイの発電エネルギーを算出し、発電エネルギーとハウス内日射受光量の関係を考察した。結晶系太陽電池はアモルファスシリコン太陽電池より変換効率が高いので、より小面積でアモルファスシリコン太陽電池と同等の発電エネルギーが期待できる。したがって、結晶系太陽電池を用いる仮定での考察も行った。成果を28th International Horticultural CongressおよびBiosystems Engineeringで発表した。
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Research Products
(2 results)