2010 Fiscal Year Annual Research Report
損傷限界曲線を応用した新たな緩衝包装設計理論の構築と青果物輸送包装の最適化
Project/Area Number |
21780236
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
北澤 裕明 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品工学研究領域, 任期付研究員 (20455306)
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Keywords | 緩衝包装設計 / 損傷限界曲線 / 青果物 / 流通 |
Research Abstract |
昨年度までに、繰り返し衝撃による青果物の損傷発生について、イチゴ果実を用いて、疲労破壊モデルの適用により予測する方法を提案した。一方、衝撃による物品の損傷発生においては、衝撃作用時の加速度のみならず、速度変化についても考慮する必要があり、とりわけ様々な包装容器、あるいは緩衝材に対応した損傷予測モデルを構築するためには、この点に関する検証が不可避である。 そこで、今年度は先に提案した損傷予測方法を多様な包装条件に適合させることを可能にするとともに、予測精度をより一層向上させるために、任意の速度変化条件を作出する方法について検討した。 イチゴ果実用の包装容器を2枚の板(治具)で挟んで固定した状態で、容器を垂直に落下させることができる装置を作成し、落下を受ける側の面に緩衝材を配置した。その際、落下高さを変更するとともに、落下を受ける面に配置する緩衝材の種類、すなわちその物性を変えることにより、任意の衝撃加速度と対となる速度変化条件を作成することができた。この装置を用いて、治具に固定される包装容器に、実際にイチゴ果実を詰めて落下試験を行ったところ、同一の衝撃加速度が包装容器に発生した場合においても、同時に発生する速度変化が異なることにより、1回の衝撃に対する果実の損傷度が大きく変化することが確認できた。 以上の成果は、青果物における高精度かつ適用範囲の広い、繰り返し衝撃による損傷予測方法の開発につながるものと期待される。
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