2009 Fiscal Year Annual Research Report
ソマトスタチンによるニワトリヒナ独自の脳内摂食促進機構の解明
Project/Area Number |
21780247
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
橘 哲也 Ehime University, 農学部, 准教授 (80346832)
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Keywords | 畜産学 / 脳・神経 / 行動学 / 薬理学 / 栄養学 |
Research Abstract |
効率的家禽生産には幼雛期の摂食行動の解明が不可欠とされている。ところが、ニワトリヒナの脳内摂食調節機構は哺乳類とは明らかに異なるため、鳥類独自の脳内摂食調節機構の解明が必要である。本研究では、ソマトスタチンが鳥類独自の摂食促進機構を担っている可能性があると考え、その摂食促進作用機序と鳥類独自の機構を解明すること目的とした。まず、ソマトスタチンを中枢または末梢に投与した後の摂食行動を調べたところ、中枢に投与した場合にのみヒナの摂食を促進したことから、ソマトスタチンの作用は中枢性のものであることを確認した。また、ソマトスタチン受容体アゴニストを中枢投与したところ、ソマトスタチン受容体2、3および5レセプターがソマトスタチンの作用に関係していることが明らかとなった。なお、ソマトスタチンを中枢投与しても血中成長ホルモン濃度に変化が見られなかったことから、ソマトスタチンの作用は成長ホルモンとは関係ないことを見出した。さらに、ソマトスタチンの作用部位を明らかにするため、ソマトスタチンを視床下部に直接投与する実験を行ったところ、ヒナの摂食が促進された。以上のことから、ソマトスタチンの作用は視床下部に作用して摂食行動を刺激していると考えられる。次いで、ニューロメジンBおよびCがヒナの摂食調節に関わっていることを見出した。今後、これらの神経ペプチドとソマトスタチンの関係について調べる予定である。
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