2010 Fiscal Year Annual Research Report
紡錘体の形態的評価による高い受精能・発生能をもつ体外成熟卵子の選抜法の確立
Project/Area Number |
21780250
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星野 由美 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (10451551)
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Keywords | マウス / 卵子の質 / 受精能・発生能 / 紡錘体 / MTOC / 微小管の安定性 |
Research Abstract |
体外培養技術の改良により、体外成熟培養で受精・発生可能な成熟卵子を得ることが可能となったが、効果的に質の高い胚を生産し、個体作出に繋げるためには、質の高い成熟卵子を選別する必要がある。そのために卵子の「質」を評価する方法の確立が求められている。本年度は予定に沿った研究を進め、以下のことを明らかにした。 1)体外成熟卵子の紡錘体形態を体内成熟卵子に近づける培養条件を検討し、FSHを含むWaymouth's培地で18時間培養することで最も効果的に得られることが明らかとなった。また、この条件で受精・発生率が最も高いことを確認した。 2)培養条件の違いによる微小管形成能力を調べた結果、微小管形成中心(MTOC)の発現量について変化は認められなかったが、昨年度の研究結果に基づいた受精適期(Phase II)でMTOCの活性が最も高くなることが明らかとなった。特に、1)で示した培養条件において高い活性が認められた。 3)微小管の安定性・不安定性に関与する因子(それぞれ、CLIP-170、MCAK)に着目し、微小管形成能力を比較したところ、培養条件の違いにより局在が異なった。すなわち、体内成熟卵子や1)で示した条件では、CLIP-170の紡錘体紡錘体周辺の局在が強く、微小管の安定性が高いことが明らかとなった。この結果は、2)に一致するものである。 4)受精に大きく関与する卵成熟促進因子(MPF)の活性を調べたところ、これまでの結果に一致した。 以上の結果から、卵子の質と紡錘体の形態には相関があり、微小管の安定性に深く関与することが明らかとなった。
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Research Products
(10 results)