2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゴルジ体タンパクgiantinの発生過程における機能の解析
Project/Area Number |
21780266
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
片山 健太郎 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 助教 (50508869)
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Keywords | 軟骨形成不全 / Giantin / 小胞輸送 / ゴルジ体 / 突然変異 / 軟骨内骨化 |
Research Abstract |
OCD系統の発症ラット(ocd/ocd)は常染色体単純劣性の遺伝様式で伝達される四肢短小、骨軟骨形成不全症および全身性の皮下水腫などを呈し、本表現型はゴルジ体タンパク質Giantinの機能欠損に起因すると考えられる。本年度はocd/ocdが呈する皮下水腫が血管形成もしくはリンパ管形成の異常に起因するのか否かを明らかにすることを試みた。血管内皮細胞のマーカー分子であるPECAMおよびリンパ管内皮細胞のマーカー分子であるポドプラニンに対する抗体を用いて、胎齢12.5日から14.5Hの+/+およびocd/ocd胎子のホールマウント免疫染色を行った結果、+/+およびocd/ocd胎子の間で染色パターン、染色性に顕著な違いは認められなかった。したがって、ocd/ocd胎子では脈管形成および胎齢14.5日までの血管およびリンパ管の新生に異常は生じていないと考えられた。アルカリフォスファターゼ染色および酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ染色により胎齢18.5日の大腿骨の骨芽細胞および破骨細胞を染色した結果、ocd/oed胎子では+/+胎子より骨芽細胞および破骨細胞の数が少ない傾向が認められた。このことから、ocd/ocdでは骨芽細胞および破骨細胞の増殖もしくは分化に異常が生じており、giantinは軟骨細胞の増殖・分化だけでなく、骨芽細胞および破骨細胞の増殖もしくは分化においても重要な役割を担っている可能性が示唆された。
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