2009 Fiscal Year Annual Research Report
加齢性疾患の制御に向けたp66shcによる酸化ストレス調節メカニズムの解析
Project/Area Number |
21780267
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山盛 徹 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (00512675)
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Keywords | 酸化ストレス / 活性酸素 / p66shc / 加齢性疾患 |
Research Abstract |
p66shcタンパク質を欠損したマウスは約30%の寿命の延長を示し、さまざまな加齢性疾患に対し抵抗性となる。本年度は、神経細胞のストレス感受性に対するp66shcの関与を評価することとp66shc欠損による酸化ストレス抵抗性獲得メカニズムの解明することを目的とし研究を行った。 1.ヒト神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞に対してdopamineの酸化修飾物である6-hydroxydopamine(6-OHDA)を処理すると細胞死が起こる。この6-OHDAによる細胞毒性はcatalaseの添加により抑制されたことから、6-OHDAの分解生成物である過酸化水素が細胞毒性の本体であることが明らかとなった。6-OHDAはp66shcのSer36の濃度・時間依存的リン酸化を引き起こした。また、このp66shcのリン酸化はcatalaseの前処理により抑制されたことから、p66shcのリン酸化もまた過酸化水素に引き起こされていることが明らかとなった。 2.次に、野生型マウス胚由来線維芽細胞(WT MEF)およびp66-/-マウス胚由来線維芽細胞(P66-/- MEF)における6-OHDAの細胞毒性を評価したところ、p66-/- MEFはWT MEFよりも6-OHDA処理に対し抵抗性を示した。さらに、p66-/-MEFに野生型p66shcを強制発現したところ、6-OHDAに対する感受性が回復し、細胞死の増強が観察された。 3.さらに、WT MEFおよびp66-/- MEFを過酸化水素により処理した後、各種抗酸化遺伝子の発現量の変化をリアルタイムPCRにて評価し、酸化ストレス下でp66-/- MEFとWT MEF間で発現量に差が見られる抗酸化遺伝子を探索した。その結果、heme oxygenase 1およひthioredoxin reductase 1で特徴的な差異が観察された。
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Research Products
(15 results)