2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780268
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
井田 隆徳 University of Miyazaki, IR推進機構, 特任助教 (00381088)
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Keywords | 新規生理活性ペプチド / オーファンGPCR / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
リガンドが不明なオーファン受容体に対する新規生理活性ペプチドを発見することは、新たな生理機能の解明や創薬の観点から非常に重要である。しかし、近年その発見は減少している。本研究では、対象をホ乳類からショウジョウバエに変え研究を行うことにより、その情報を元にホ乳類での発見へとつなげていく。申請書提出時に発見していた、ショウジョウバエ新規生理活性ペプチド、idalin-1, idalin-2(仮称)について、生化学、生理的研究を行った。idalin-1. idalin-2ともにS-S結合のリング構造があり、C末端がアミド化されている。活性にはS-S結合は必須であるが、C末端アミド化は必須ではないことがわかった。また、idalin-1に関してはN末端が2個、15個長いフォームも発見した。idalin-1は脳、腸、脂肪、眼に強く発現しており、idalin-2は脳神経系やthoracicoabdominal ganglionなどの神経節に発現していた。idalin-1の過剰発現ショウジョウバエを作製した。野生型ショウジョウバエの幼虫は壁を上り高い位置でさなぎを形成し羽化するが、idalin-1過剰発現ハエは壁に登らず、餌のある底の部分に留まったままで死亡する率が高かった。この原因は現在解析中であるが、idalin-1は絶食によって発現量が低下することから摂食抑制作用を有すると推測されるので、摂食行動に関連した異常なのか、或いは眼に発現していることから視覚系の異常なのか、害虫駆除剤への応用なども含め、大変興味深い。 その他、ショウジョウバエ新規生理活性ペプチドを新たに2つ発見した。
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