2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780268
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
井田 隆徳 宮崎大学, IR推進機構, 助教 (00381088)
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Keywords | 新規生理活性ペプチド / オーファンGPCR / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
リガンドが不明なオーファン受容体に対する新規生理活性ペプチドを発見することは、新たな生理機能の解明や創薬の観点から非常に重要である。しかし、近年その発見は減少している。本研究では、対象をホ乳類からショウジョウバエに変え研究を行うことにより、その情報を元にホ乳類での発見、解析へと、また昆虫での機能解析を行うことにより病態モデル生物の作成を目的とし研究を行った。先に発見していたショウジョウバエ新規生理活性ペプチド、idalin-1,idalin-2について昨年度の生化学的解析に加え、今年度は作成した特異抗体を用い、免疫染色を行い、発現分布を解析した。その結果、中枢系、腸管に加え、脂肪にも強く分布していることがわかった。またクロキンバエにおける投与実験より、idalin-1は摂食行動を強力に誘発することを見いだした。この効果はクロキンバエにおいて摂食が抑制される、柑橘系の臭いをかがせても持続することより、idalin-1が中枢性に摂食行動を制御している可能性が示唆された。昆虫では脂肪から分泌される液性因子によって中枢のインシュリン様ペプチドの動態が制御され、摂食や成長が調節されていることが最近わかってきた。今後この液性因子がidalinである可能性を追求していき、ホ乳類の摂食調節モデルとして活用できないか検討していきたい。 またidalinとは別のショウジョウバエ新規生理活性ペプチド、dRYamide-1, dRYamide-2を発見した。このペプチドの構造、作用する受容体の解析から、dRYamideは昆虫におけるニューロペプチドYに相当する可能性が考えられた。今後、さらなる解析によりdRYamideの機能、ホ乳類への展開を検討していきたい。
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