2010 Fiscal Year Annual Research Report
猫の肝リピドーシスにおける脂肪酸代謝解析とPPARsリガンドによる治療効果の検討
Project/Area Number |
21780287
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
西飯 直仁 鳥取大学, 農学部, 講師 (20508478)
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Keywords | 猫 / 肝リピドーシス / PPARs |
Research Abstract |
本研究では猫の肝リピドーシスモデルの作成を行い、その代謝異常について解析することを目的としている.本年度は猫の肝リピドーシスモデルの作成ついて、計画していたプロトコルを含め、いくつかの手法について検討した。一つめは肥満させた猫について10週間の食事制限を行い、血液サンプルおよび肝臓生検サンプルを採取し、現在リピドーシスの発現および程度について解析を行っている。二つ目はZini E.らの報告(Horm Meatb Res,42,340-347,2010)では脂肪製剤の投与によって肝リピドーシスが誘導されたことから、脂肪製剤を投与して肝臓の変化と糖脂質代謝の異常について解析を行った。脂肪製剤投与によって明らかなインスリン抵抗性が惹起されており、高脂血症や肝リピドーシスと糖代謝異常の深い関連が考えられた。三つめとして猫の初代培養肝細胞の培養系を確立し、肝リピドーシスの病態をより詳細に検討することを試みている。これらの予備試験によってより効果的な猫の肝リピドーシスの誘導が確立されれば、今後の研究を大きく進歩させることができる。これらの手法によって得られた肝リピドーシスモデルの肝細胞よりmRNAを抽出し、昨年度に確立したReal-time PCR法を用いれば、猫の肝リピドーシスにおけるβ酸化およびVLDL代謝に関わる分子の発現量を評価することが可能となる。
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