2009 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学技術から展開するネコ胚性幹(ES)細胞株の樹立
Project/Area Number |
21780289
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
鳩谷 晋吾 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 助教 (40453138)
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Keywords | ネコ / 卵子 / 精子 / BCB / パーコール / 体外受精 |
Research Abstract |
本年度の研究では、ネコES細胞株を樹立するために、去勢および避妊手術によって廃棄される精巣および卵巣から精子と未成熟卵子を回収し、これを体外受精によって胚盤胞期胚にまで成長させることを目的に、以下の項目を検討した。(1) Brilliant cresyl blue (BCB)によるネコ卵巣由来卵子の選別:避妊手術で得たネコ卵巣から未成熟卵子を回収し、卵丘細胞が付着しているGrade1,2群、卵丘細胞があまり付着していないGrade3,4群の2群に分けた。さらにBCB染色による卵子の染色の有無(+/-)によりGrade1,2+群、Grade1,2-群、Grade3,4+群、Grade3,4-群の4群に分けた。M-199培地で各群を24時間培養し、IVM卵子の核成熟率をHoechst染色により比較した。その結果、成熟(MII)卵子の割合は、他群と比較し、Grade1,2+群で有意に高値を示した。さらに、4群の卵子を各群IVM後、(2)で検討したパーコール洗浄済み凍結融解精液と共培養した後、6日間培養し、卵割率、桑実胚/胚盤胞率を比較した。その結果、卵割率、桑実胚/胚盤胞率は、他群と比較し、Grade1,2+群で有意に高値を示した。(2)ネコ精子の凍結保存とパーコール法による選別:去勢手術で得たネコ精巣上体から精子を回収し、凍結保存した。凍結精液を融解後パーコール洗浄したパーコール群と無洗浄のコントロール群に分け、先体を持つ精子の割合、精子生存指数をそれぞれ比較した。その結果、先体を持つ精子の割合は、コントロール群と比較し、パーコール群で有意に高値を示した。精子生存指数は、コントロール群と比較し、パーコール群で増加する傾向を示した。以上の結果から、(1)(2)より優良卵子・精子の選別が可能となった。また、これらの結果から胚盤胞期胚が作製され、ネコES細胞株樹立につながる研究成果が得られた。
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Research Products
(2 results)