2010 Fiscal Year Annual Research Report
屈折検査および視覚誘発電位を用いたイヌの視力検査法の開発
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21780292
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
前原 誠也 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (50438363)
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Keywords | 犬 / 屈折検査 / 視覚誘発電位 / 視力検査 / パターンリバーサル刺激 / フラッシュ刺激 |
Research Abstract |
我々は視覚誘発電位(VEP)を用いた犬の視力検査法を開発することを目的に本研究を実施している。本年度は犬におけるパターンリバーサル刺激を用いたVEP(pVEP)、および視力において大きな要因である屈折の研究を実施した。酪農学園大学における実験ビーグル犬を用い,対象眼を様々な屈折度に矯正し(pVEP)記録した。また屈折検査においては検影法とオートレフラクトメーターを用いた方法の比較を試みた。(1)犬においても屈折度を矯正することでpVEP応答が変化することが明らかとなった。このことから犬においてもpVEPを正確に記録するには、対象眼の屈折度を考慮することが必要であると考えられた。また、昨年度のパターン刺激サイズの変化によるpVEP応答の変化から推定視力を算出したが、この時は対象眼の屈折度を考慮していなかった。屈制度を考慮し、パターン刺激サイズを変化させたpVEPを記録することで、さらに正確な視力を算出することが可能であると考えられた。(2)検影法とオートレフラクトメーターを用いた屈折検査の結果より、犬においてオートレフラクトメーターを用いた屈折検査は、屈折度を球面度数で表わした場合には検影法との一致性に欠けるが、等価球面度数で表わした場合には検影法の代替法となり得ることが明らかとなった。等価球面度数と球面度数の違いは、乱視度数が含まれているか否かである。そのため、今回対象とした犬において乱視の発生率が多かったことが、オートレフラクトメーターで屈折度を球面度数で表わした場合に検影法と一致性が欠けた原因と考えられ、犬の屈折度を検討する際には乱視を無視できないと考えられた。
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