2011 Fiscal Year Annual Research Report
屈折検査および視覚誘発電位を用いたイヌの視力検査法の開発
Project/Area Number |
21780292
|
Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
前原 誠也 酪農学園大学, 獣医学部, 准教授 (50438363)
|
Keywords | 犬 / 屈折検査 / 視覚誘発電位 / 視力検査 / パターンリバーサル刺激 / フラッシュ刺激 |
Research Abstract |
我々は視覚誘発電位(VEP)を用いた犬の視力検査法を開発することを目的に本研究を実施している。本年度は犬におけるパターンリバーサル刺激によるVEP(pVEP)およびフラッシュ刺激によるVEP(fVEP)の麻酔深度による影響、および健常なビーグル犬の視力をpVEPにより測定した。酪農学園大学における実験ビーグル犬を用い,様々なセボフルラン麻酔深度でpVEPおよびfVEPを記録した。麻酔深度は、各対象犬のセボフルラン最小肺胞濃度(MAC)を測定しそれの結果を1.0MACとし、0.0MACから麻酔深度を深くしていき、VEP波形が消失する麻酔深度を測定した。また対照眼の屈折を調節し様々な刺激パターンサィズでpVEPを測定し、測定結果からその対象眼の視力を算出した。(1)pVEP、fVEPとも、1.5~2.0MACほどの深麻酔になるとVEP波形は消失したが、浅い麻酔深度ではpVEFのP100潜時、fVEPのP2潜時に大きな影響はなかった。犬においてVEPを測定する際には全身麻酔が必要となるが、不動化が得られる程度の浅い麻酔深度では、麻酔がVEPに与える影響は少ないことが明らがとなった。(2)実験に用いた健常なビーグル犬6頭全頭で、50cm離れた1辺が1.22mmの格子縞模様の刺激によってVEPが記録された。VEPが記録されたことは、対象眼が刺激モニターの格子縞模様を視覚認識できていたこととなる。刺激距離(50cm)と格子縞模様の1辺(1.22mm)から視角を算出すると8.39arc/minとなる。これを空間周波数に換算すると3.58cycle/degreeとなり、さらに小数視力に換算すると0.12となる。つまり、今回用いたビーグル犬は小数視力で0.12以上の視力を有することが明らかとなった。
|