2009 Fiscal Year Annual Research Report
白色腐朽菌による環境ホルモン分解機構の解明及び汚染土壌完全浄化菌の育種
Project/Area Number |
21780296
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平井 浩文 Shizuoka University, 農学部, 准教授 (70322138)
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Keywords | 白色腐朽菌 / 環境ホルモン / 環境浄化 / 分解機構 / プロテオーム解析 / 分子育種 |
Research Abstract |
高活性リグニン分解菌Phanerochaee Sordida YK-624株による環境ホルモン類分解機構を解明し、汚染土壌完全浄化菌の分子育種を行うため、本年度はP. sordida YK-624株によるビスフェノールA(BPA)の分解を行い、その際生成する分解産物の同定を試みた。リグニン分解が効率的に起こる培地においてBPAを処理すると、主に2種類の化合物が生成しており、これらを精製し、各種機器分析(ESI-MS, NMR)により構造決定を行ったところ、ともにBPAの二量体であった。なお、これら化合物はP. sordida YK-624株の産生するリグニン分解酵素でも生成することが判明した。つまり、BPAは菌体外にてリグニン分解酵素の作用により一電子酸化され、二量体化することが初発の反応と予想された。しかしながら、減少したBPAが定量的に二量体に変換されていないことから、これら二量体を合成し、さらに分解実験を行ったところ、これら二量体も即時に分解される事が判明した。現在、BPA二量体分解時に生成する化合物の同定をおこなっているが、少なくとも重合反応は起こっておらず、低分子化していることがESI-MS分析により示唆されている。 また、P. sordida YK-624株によるBPA分解時に特異的に発現しているタンパク質を検出するため、二次元電気泳動による解析を行い、BPA分解時に特異的に発現しているタンパク質数種を検出した。現在、これらタンパク質の同定を進めている。
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