2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780298
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 利幸 Miyakonojo National College of Technology, 物質工学科, 助教 (50453535)
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Keywords | 生物・生体工学 / 環境技術 / バイオリアクター / 生体分子 / 環境浄化 |
Research Abstract |
クロムは耐蝕性・耐摩耗性などに優れた特徴をもち、ステンレス、耐熱鋼などの特殊鋼用途やクロムメッキ、染料、顔料を含む化学製品など代替のできない必要不可欠な機能性材料として幅広く利用されている。近年、中国・インドの経済成長に伴い、クロムの需要増加が見込まれるため、クロムは、タングステン、コバルト、バナジウム等と同様にレアメタルとして国家備蓄されている。 私達は、微生物の一種である原生生物ミドリゾウリムシ(ゾウリムシの近縁種)が、体内にクロムを集積する事を明らかにした。このクロム集積性は、ミドリゾウリムシがクロム吸着性物質を持つ事を示唆する。そこで、我々は、上記微生物からクロム吸着性タンパク質フィルターを作製し、クロム含有排水からクロムを選択的に回収し、再利用可能なシステムの構築を目標としている。特に、平成21年度は、当該微生物由来のクロム結合物質を探索・同定する事を目的とした。本研究助成の成果として、クロム処理特異的タンパク質の発現に必要なクロム処理時間を明らかにした。さらに、当該微生物からクロム吸着性タンパク質を同定する事ができた。今後、当該タンパク質の大量精製法を確立するために、当該タンパク質をコードするアミノ酸配列・塩基配列を明らかにする必要がある。
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