2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780298
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 利幸 都城工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (50453535)
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Keywords | 生物・生体工学 / 環境技術 / バイオリアクター / 生体分子 |
Research Abstract |
クロムは耐蝕性・耐摩耗性などに優れた特徴をもち、ステンレス、耐熱鋼などの特殊鋼用途やクロムメッキ、染料、顔料を含む化学製品など代替のできない必要不可欠な機能性材料として幅広く利用されている。上記利便性から、クロムは、タングステン、コバルト、バナジウム等と同様にレアメタルとして国家備蓄の対象となっている。先の研究において、私達は、ある種の微生物が体内にクロムを集積できる事を明らかにした。そこで、我々は、上記微生物からクロム吸着性タンパク質フィルターを作製し、クロム含有廃水からクロムを選択的に回収し、再利用可能なシステムの構築を目標としている。 平成22年度は、当該微生物由来のクロム結合物質の実体を明らかにする事を目的として、クロム処理特異的に増加または減少するmRNAに注目した。今回、逆転写PCR法(RT-PCR法)とディファレンシャル・ディスプレイ法を併用し、クロム処理特異的な遺伝子発現の変化を解析した。本成果として、クロム処理により、システインプロテアーゼを含むシステイン残基を多く含むタンパク質の発現が抑制されている事が示唆された。この事は、金属イオン反応性に富むシステイン残基が、クロム結合性物質に利用され、相対的に他のシステイン含有タンパク質の発現が抑制されている可能性を示している。以上の成果は、クロム結合性物質の実体を明らかにする上で有意義な成果である。
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[Remarks] 学会発表欄記載の2件は、震災の影響で学会自体は中止になったが、発表自体は紙面(講演集)で発表した扱いとなった。
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[Remarks] 別テーマだが、平成22年度に共著者として2件の論文発表(雑誌論文)を行った。
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[Remarks] 本研究代表者が筆頭著者の1件の論文を論文投稿し、現在審査中である。