2009 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型NAC転写因子(ANAC078)の標的遺伝子の同定と活性化機構の解明
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21780310
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
薮田 行哲 Tottori University, 農学部, 助教 (00379562)
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Keywords | 転写因子 / ANAC078 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
本年度は既に作成されているANAC078過剰発現株を用い、野生株に比べ強光ストレス条件下で顕著に誘導されている遺伝子をマイクロアレイ解析により探索した結果、フラボノイド合成の制御に関わる転写因子やプロテアソームのサブユニットをコードする遺伝子を含む166遺伝子が誘導されていた。また、これらの遺伝子のプロモータ領域中にANAC078の認識配列を検索したところ、52遺伝子に存在していた。このことからこれら52遺会子はANAC078により直接制御を受けている事が示唆された。さらにフラボノイド合成に注目し、フラボノイド合成に関わる転写因子およびフラボノイド合成遺伝子の強光ストレス下での応答を野生株、ANAC078過剰発現株および、ANAC078遺伝子欠損株を用い比較を行ったところ、これらの遺伝子の多くは強光ストレスに応答し、さらにANAC078過剰発現株では野生株に比べ顕著に誘導されており、逆にANAC078遺伝子破壊株では抑制されていた。またフラボノイドの一つであるアントシアニンレベルを測定したところ、強光ストレス下では顕著に蓄積しており、ANAC078過剰発現株では野生株に比より多く蓄積されており、ANAC078遺伝子欠損株ではその蓄積は抑制されていた。以上のことから、ANAC078は強光ストレス下でのフラボノイド合成の制御に関与していることが明らかとなった。 一方、ANAC078タンパク質の活性化に関わるプロテアーゼの同定するため、先ず全長および膜貫通領域を欠失させたANAC078とGFPの融合タンパク質をタマネギ表皮細胞で一過的に発現させたところ、膜貫通領域を欠失させたものでは核のみに蛍光が観察されたのに対し、全長では細胞質画分にも蛍光が認められた。
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