2009 Fiscal Year Annual Research Report
光誘導性のsmall open reading frameの単離と解析
Project/Area Number |
21780315
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
樋口 美栄子 The Institute of Physical and Chemical Research, 植物ゲノム機能研究チーム, 特別研究員 (40443014)
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Keywords | マイクロアレイ / short open reading frame / シロイヌナズナ / 光誘導生 / 過剰発現体 |
Research Abstract |
近年、酵母や線虫において、短いコード領域を持つshort open reading frame(sORF)と呼ばれる領域が遺伝子として機能することが報告されている。シロイヌナズナゲノム中にも30-100アミノ酸をコードするsORFが、約7,000存在することを報告されている。そこで植物におけるsORFの機能解明を目指し、既知遺伝子とsORFを搭載したマイクロアレイを作成し発現解析を行った。ロゼット葉から抽出したRNAを用いて解析した結果、約9%のsORFがロゼット葉において発現が確認された。マイクロアレイの結果を確認するため、sORFの全長を増幅するプライマーを用いてRT-PCRを行ったところ、様々な組織(花・さや・根)において発現が検出され、一部のsORFは組織特異的な発現パターンを示していた。また、光で発現が制御されるsORFを同定するため、暗所生育させた芽生えに連続光を照射し、経時的なsORFの発現変化を解析した。その結果、光で転写が制御される約100のsORFを同定した。また、連続した単色光下(赤・青・遠赤色)で生育させたシロイヌナズナの芽生えと暗所生育した芽生えにおける遺伝子発現変化を解析したところ、約30のsORFが暗所と比較して発現変化が確認された。それぞれの光質特異的に発現変化が見られるsORFも存在し、光受容体下で働く因子である可能性も示唆される。さらに一部のsORFについては過剰発現体の作製を進めている。本研究において、発現が確認されたsORFは植物において機能することが期待され、新規の遺伝子群となると思われる。
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