2010 Fiscal Year Annual Research Report
光誘導性のsmall open reading frameの単離と解析
Project/Area Number |
21780315
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
樋口 美栄子 独立行政法人理化学研究所, 植物ゲノム機能研究グループ, 特別研究員 (40443014)
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Keywords | short open reading frames / マイクロアレイ / 光誘導性遺伝子 / シロイヌナズナ / イネ |
Research Abstract |
近年、遺伝子間隙やノンコーディングRNA上に存在する短いアミノ酸をコードするshort open reading frames (sORFs)がペプチドとして機能する報告が様々な生物種において相次いでいる。そこで、高等植物の既知遺伝子間隙に存在するsORF(30-100アミノ酸)を同定し、イネとシロイヌナズナの既知遺伝子とsORFを搭載したマイクロアレイを作成し、様々な組織から抽出したRNAを用いて発現解析を行った。その結果、全ての組織においてsORFが発現していることが確認された。また、光で発現が制御されるsORFを同定するため、暗所生育させた芽生えに連続光を照射し経時的な発現解析を行い、光で転写が制御される約100のsORFを同定した。一部のsORFについてはRACE法により完全長cDNAを同定し、sORFが転写されていることを確認した。さらにプロモーターと終始コドンを欠いたsORF領域にGUS遺伝子を融合させたコンストラクトを用いて形質転換体を作成したところ、GUSのシグナルが検出され、sORF領域が翻訳されていることが示された。発現解析に加え、配列の保存性やペプチドホルモン様配列に注目し、イネとシロイヌナズナの過剰発現体の作製を進めている。現在までに、葉の形態や芽生えの胚軸、根の伸長に変化が生じた変異体などを多数単離している。このようにsORFは植物においてペプチドとして機能し、新規の遺伝子群となることが期待される。
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