2009 Fiscal Year Annual Research Report
ベンザインを基軸とする多置換複素環化合物の新規合成法の開発と天然物合成への展開
Project/Area Number |
21790006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡野 健太郎 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 助教 (30451529)
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Keywords | ベンザイン / 多置換複素環 / イソバツェリン / リンデロールA |
Research Abstract |
重要な生理活性を示す天然物や医薬には多置換複素環構造を母核として有するものが数多く存在するが、立体的に込み合った複素環化合物の一般性合成法は確立されていない。今回、これまで合成研究にほとんど用いられてこなかったベンザインの潜在的な有用性に着目し、求核付加と続く求電子剤による捕捉により一挙に二カ所を官能基化する、多置換複素環化合物の新規合成法を確立することを目的として研究に着手した。まず、含窒素複素環の構築について検討を行ったところ、かさ高いアミド型塩基であるLiTMPを用いると芳香環上のハロゲン原子のオルト位の脱プロトンに引き続くベンザインの生成を経て、分子内の窒素アニオンからの付加によりインドリンが生成することを確認した。しかし、求核付加により生じるアリールリチウム種の反応性が比較的高く、続く求電子剤での捕捉が困難であった。様々な塩基に関して検討を行った結果、文献既知ではあるもののベンザインの生成には用いられてこなかったMg(TMP)_2が本反応にきわめて有効であることが分かった。求電子剤によってはアリールマグネシウム種から銅へのトランスメタル化が必要ではあったが、おおむね中程度から良好な収率で望みの7位置換インドリンを得ることができた。さらに、インドリン形成後にパラジウム触媒存在下クロスカップリングをワンポットで実施することにも成功している。また、生成する環の員数についても調べた結果、テトラヒドロキノリン骨格も構築することができた。
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Research Products
(12 results)