2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規アルツハイマー病治療薬開発を指向した植物性アルカロイドの探索と不斉全合成研究
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21790008
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小暮 紀行 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 助教 (80396689)
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Keywords | アルカロイド / 不斉全合成 / AChエステラーゼ / リコポジウム / ヒガンバナ / Lycoposerramine |
Research Abstract |
1.新規アルカロイドLycoposerramine-Cの不斉全合成。 当研究室で単離・構造決定したLycoposerramine-Cは、強力なAChE阻害活性を有する新規アルカロイドである。鍵反応としてPauson-Khand反応を用いたLycoposerramine-Cの不斉全合成を達成した。すなわち、Evansの不斉補助基を用いて細見-桜井アリル化を行った後、別途調製したアルキン誘導体とのカップリングによりエンイン化合物に導いた。分子内Pauson-Khand反応により二環性シクロペンテノンとした後、窒素原子の導入、光延反応による9員環の構築、官能基変換を経て全合成を達成した。この合成ルートの確立により、他のFawcettimine誘導体の合成も可能となると考えられ、今後Lycoposerramine-S,-Aの不斉全合成を試みる予定である。また、合成した中間体、各種誘導体について薬理活性評価を行い、構造活性相関の検討、さらなる誘導体の設計、合成を行う。 2.新規LycopodiumアルカロイドLycoposerramine-X、Zの不斉全合成。 当研究室で単離したLycoposerramine-X、Zは、各種NMRスペクトルの解析により平面構造、相対立体配置と推定したが、絶対立体配置は未定であった。合成戦略として、当研究室で確立したLycoposerramine-VおよびWの全合成法を利用することとした。光延反応を駆使することによりtransおよびcisオクタヒドロキノリン誘導体を作り分け、エステルを足がかりとした増炭反応、ニトロンへの変換を行いLycoposerramine-X、Zの全合成を達成した。合成品のデータを天然物と比較することにより、天然化合物の絶対立体配置を決定した。今後、これら中間体や誘導体についても薬理活性評価を行い、構造活性相関研究を行う予定である。
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Research Products
(4 results)