2010 Fiscal Year Annual Research Report
三価の超原子価ヨウ素反応剤を触媒的に用いる新規合成反応の開発
Project/Area Number |
21790017
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 和範 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40403696)
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Keywords | 触媒的 / ヨウ素 / Hofmann転位 / ヨードベンゼン / m-CPBA / 超原子価 |
Research Abstract |
三価の超原子価ヨウ素化合物は、毒性や爆発性を示さず環境調和型の反応剤として最近多用されている。しかし、この反応試剤を活用する際の制限もあり、反応終了後に一価のヨウ素化合物が常に化学量論量副生することが避けられない。最近研究者の所属する研究室では、適切な末端酸化剤の存在下、三価の超原子価ヨウ素反応剤を触媒的に用いる反応を見出すことに成功した。この問題を解決する新しい方法論の先駆けとなる結果である。本研究では研究者は、この方法論の有用性を一層向上させるべく、種々の新規触媒反応の探索を行ってきた。 触媒的Hofmann転位反応の開発(継続) 昨年度、研究者は末端酸化剤m-CPBAの共存下、触媒量のヨードベンゼンを用いると、一級アミドのHofmann転位反応が円滑に進行することを見出している。今年度、本反応の条件を更に詳細に検討し、確立した最適条件下に多岐に亘るアミドの反応が高収率で進行することを見出した。具体的には触媒の構造、末端酸化剤、添加剤、反応溶媒について幅広く精査し、最終的にm-CPBA存在下、無置換のヨードベンゼンを塩化メチレン-水 20:1混合溶媒中で用いた際に、最も良い結果が得られることが分かった。官能基許容性も高く、ハロゲン、エーテル、水酸基、アミノ基、ニトロ基等が存在しても高収率でHofmann転位のみが選択的に進行した。
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