2010 Fiscal Year Annual Research Report
官能基化トリメチルシリルジアゾメタンを活用する実践的合成反応
Project/Area Number |
21790021
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
張 功幸 大阪大学, 薬学研究科, 特任准教授 (50347423)
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Keywords | トリメチルシリルジアゾメタン / 複素環合成 / ベンズアゼピン |
Research Abstract |
最近、研究代表者らは反応剤としてジアゾ(トリメチルシリル)メチルマグネシウムプロミドを独自に開発し、この反応剤とカルボニル化合物の反応により、官能基化トリメチルシリルジアゾメタンが簡便に合成できることを見出した。私たちは、得られる官能基化トリメチルシリルジアゾメタンを活用することで様々な誘導体の効率的合成を違成できると考え、本研究では官能基化トリメチルシリルジアゾメタンを活用する実用的合成反応の開発を自指した。本年度(最終年度:2年目)は、まず官能基化トリメチルシリルジアゾメタン合成の汎用性の拡張を目指して種々検討した結果、N-メチルキノリニウム塩とジアゾ(トリメチルシリル)メチルマグネシウムプロミドの反応で定量的に1,2-付加体が進行して対応する官能基化トリメチルシリルジアゾメタンが得られることを見出した。本反応においてジアゾ(トリメチルシリル)メチルマグネシウムプロミドの代わりにジアゾ(トリメチルシリル)メチルリチウムを用いた場合、1,2-付加と1,4-付加が共に進行し、その収率も低下することが分かった。また、本生成物である官能基化トリメチルシリルジアゾメタンをCuClと処理することでカルベノイド中間体を介して環拡大反応が進行し、対応する1-メチル-3-トリメチルシリル-1-ベンズアゼピン類が得られることを見出した。また、3位のトリメチルシリル基は容易に脱保護可能であった。
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